2017年 11月 16日

〔Day5〕John Muir Trail4

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"簡単には脱出させまい"

シエラネバダがそう目論んでるかのような渡渉の連続。
集中と緊張の繰り返し。最後まで気が抜けなかった5日目。












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2017.7.13

7:30am テン幕の明るさで目が覚めた。
強風と地面の凸凹で寝れないと思っていたが
いつの間にか熟睡していた。テントも問題ナシ。

外に出てビックリ。岩山に囲まれた谷間にいた。










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それにしても嘘みたいに穏やかな朝。

カレーを頬張りつつ昨日の苦労を振り返る。
タブレットのスピーカーからはこんなBGM。


右手に缶コーラ
左手には白いサンダル
ジーンズを濡らして
泳ぐあなた あきれて見てる

馬鹿ね 呼んでも無駄よ
水着持ってない

渚のバルコニーで待ってて
やがて朝が
霧のヴェールで二人を
包み込むわ


〜 渚のバルコニー / 松田聖子 〜


山でなぜこの選曲?と思いつつもつい口ずさむ。
恐らく無意識に懐メロでホッとしたかったからw










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9:00am 出発。

最終日の今日はひたすら下るのみ。
(標高3,000m→1,500mまで)










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トレイル上の雪解けによるクリーク。
これ位は想定内。靴のままサブサブ。










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トレイル自体、クリークと化していた。










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標高を下げていくと、テン場らしき場所や標識が。
原生自然に囲まれていると人工物がすごく嬉しい。










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平らな大地が見えてきた。
あそこまで下ればゴール。










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が、油断すると試練を与えられるのがお約束。

今までで最大の渡渉。我々にはもはや激流レベル。
「誰か助けを呼んできて」半泣きで音を上げる妻。


意を決してまず自分が渡りバックパックを降ろして戻る。
次に妻のバックパックを背負って再度渡渉し荷を降ろす。

「助けは来ない!渡るしかないんだよ!」流れの途中で
待機しながら妻にハッパをかける。お互いに必死だった。










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怖さは流れや見えない川底以上に万が一を考えた時。
それでもどうにかこうにか渡り切ることに成功した。










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この渡渉で心が折れたのか遅れはじめる妻。










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「あともうちょい!」
振り返っては声をかける。










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道標らしき看板が。










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2:30pm ようやくゴール(トレイルヘッド着)。
ヘロヘロになりながらも最後までよく頑張った!










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しかし…このトレイルヘッド、何もナイ。
人の気配もなければ家らしき建物もナイ。

遥か遠くに太陽に反射して左右に移動していく物体。
恐らくイースタンシエラを南北につなぐ道を行く車。

あそこまで歩くしかナイ。炎天下の中、再びトボトボ。










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「マッチ一本、火事の元」

この文句は世界共通なのか?










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1時間半ほど歩いて行くと川沿いに数台のトレーラーハウス。
キャンピング施設があって、そこで休暇を楽しんでいる家族。

そんな所でヒッチハイクするのも図々しいなぁ、と思い歩いていると
"Hey Guys!! Where are you going?" 突然背後から声をかけられる。

自分「我々はあの山から下ってきて、これからヒッチハイクするつもり」
男性「オーマイガ! マジか。心配するな。街まで乗せて行ってやるよ」


クーラーボックスからキンキンに冷えたビール。拾う神は最後ココにいたw
想定外の人の優しさと無事に山から帰って来れたコトに心の底から安堵した。










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〔歩行区間〕Taboose Passを超えたガレ場 〜 Taboose Creek Trailhead
〔歩行距離〕約15km

〔総歩行距離〕約72km(5日間計)










by ishida1011 | 2017-11-16 00:54 | 山旅


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