2012年 11月 26日

我が家の「山男」たち

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初めて「畦地梅太郎」という版画家を知ったのは、雑誌「POPEYE」のアウトドア特集号。




第一印象は、
「なんだこのユルくてアジのある絵は?」

衝撃的というより何故か心に残る感じ。

調べていくうちに次第に興味が湧いていった。
気になったポイントを挙げてみると・・・

・山男を中心に描いた木版画家
・無愛想と愛嬌とが合わさった山男の表情
・年代によって異なる色と作風
・著書の内容

など。

山男と自分と重ね合わせてしまったのかもしれない。

それ以降、東京都町田市にある「あとりえ・う」に行ったり、
神保町の古本屋で作品や著書を探したり、
北アルプスの燕山荘まで絵を見に行ったりと、
すっかり魅了されてしまった。


現在家にある畦地梅太郎の版画は以下の4点。

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【山男】 1966年作
「あとりえ・う」で初めて購入した作品。
書き損じと汚れがあった為、安く手に入れることが出来た。
ややくすんだ水色の色合いと山男のとぼけた表情が良い。

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【若者】 1978年作
これも「あとりえ・う」で購入。背景にシミがある為、こちらは更に格安だった。
1970年代は明るい色を使った絵が多く、全体的に穏やかで優しい印象なので寝室に。

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【かがやき】
こちらも「あとりえ・う」で購入。クリスマスカードの絵柄としても使われている。
山男と雷鳥の組み合わせと暖かい色合いがお気に入り。

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【助かった鳥】 1957年作
オークションで落札。
シンプルだけどよく見ると雷鳥の模様や背景、洋服の色合いが凝っていて細かい。
1950年代後半は比較的落ち着いたトーンが多く、好きな作品が固まっている年代。


最後に著書もハッとさせられることが多い(↓)。

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山に考える

わたしは、山へはいるまでは、まったく、おっくうな気持ちなんだが、いざ山へはいってしまうと、
やっぱりきてよかったなと、いつまでも思うのだが、このごろのように、山がひとつの流行になってしまって、
街でも、会社の机の周囲でも、どこそこの山へ行ったと、話しあうことが、お互いの自慢のようになってみると、わたしはつとめて、山へいくことをさける気持ちになってしまう。

乗り物でも、山小屋でも、山を歩いてさえも、知ったかぶって、そして変に気取った人達が多い。それでなければ、おれは山を歩いて、自分をより人間的なものにたかめたんだと、いわんばかりに、おさまりかえっている人にも逢う。いやなものだ。

・・・中略・・・

登山というものには、岩もあれば、雪もある。氷もある。もちろん森林もある。どれをやっても登山なんだ。そこに技術の差はあっても、山男の山に向かう精神の差があってはなるまいと思う。
山男というものは、論理一点張りで山に向かうことだけでなく、いますこし、山に住む、動物的な、原始の感情と、感覚で、山に向かうということも考えてみたいものだ。

「山のでべそ」より


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山男のユルい版画とはうって変わって厳しくも真っ当なご指摘。
自分に言われているような気もして耳が痛い・・・(苦笑)。

by ishida1011 | 2012-11-26 23:28 | 畦地梅太郎 | Comments(0)


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