2012年 12月 23日

「山のぬくもり (わたしの山男たち)」

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畦地梅太郎の手摺版画集「山のぬくもり(わたしの山男たち)」を手に入れた。
自分でも薄々自覚しつつあるが、最近の入れ込みっぷりはビョーキだ・・・。





今回はオークションで発見。無視しようにも無視出来ず・・・。
7葉セットの版画集で落札価格は〇〇万円(高いので書けない・・・)。

「1枚当たりで換算すると・・・」
「1枚単位でオークションに出品すれば元は取れるハズ・・・」
「私蔵版って希少価値があるのでは・・・」

等、ひたすら自分に言い訳や動機付けをして、清水の舞台から飛び降りる気持ちで入札。

まさか落札できると思っていなかっただけに、実際に落札のメールを見て焦った。

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手元に届いて実際に見てみると、申し分ない状態。
作品もどれも梅太郎らしく、ユルくてアジがある。

しかし部屋に飾る場所はもうない。
金もない。
どうしたものか。

とりあえず一時的になるかもしれないが、
手に入れた証拠として、私見とともに記録しておこう。


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①親子よろこぶ 1978年作

チェッカーフラッグのような格子柄の服がお洒落。
背景は畦地梅太郎の作品で特徴的なくすんだブルー。
背景の動物(犬?狼?鹿?)も現実ではありえない構図だけど、世界観が「らしい」。




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②ささやき 1978年作

山男の表情が柔らかくてお気に入り。
ブルーの背景とベージュの服、ポイントとなる赤の配色のバランス。
シンプルの極地。




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③水 1978年作

登山では「水」は必須。というか、命綱。
大事そうに「水筒」を抱えているのは、そういうことを表現しているのかも。
背景はなんだろう?鉄塔?
この作品も赤がポイント。




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④峠を越えた男 1978年作

エメラルドグリーンの背景は1970年代後半に多く見られる。
茶系の服装、グレーの山との色のバランスがキレイ。
山男もトレードマークのヒゲがなく、全体的に柔らかい雰囲気。




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⑤山のぬくもり 1977年作

構図や配色も然ることながら、思案する表情が魅力。
「活火山」と「雷鳥」に対する山男の想い。
雑誌「POPEYE」でも掲載されていた、想像力を描き立てられる1枚。




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⑥遠い山 1977年作

実はこの版画集を最初に見たときに一番印象的だったのがこの絵。
全体的にコックリとした色使いと考えられた構図。
1970代以降に見られる家族がメインの絵。
自然の厳しさに対して家族の温かみが伝わってくる。




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⑦ふりかえる 1977年作

ザイルを背負ったヒゲのない山男。
横顔の絵は珍しく、トレードマークの頭巾の代わりに白いヘルメット。
拝んでいるようにも見える不思議な1枚。


これらの絵、どうしよう。
悩むのもまた楽しかったりするのだが。

by ishida1011 | 2012-12-23 18:55 | 畦地梅太郎


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